ゆうき耳鼻科院長のBlog

大阪府 茨木市でH23年1月に新規開業しました。 耳鼻科の診療機器の開発や、滲出性中耳炎や耳管開放症については専門的治療を行っています。

新型コロナ感染症(COVID-19)につきまして

現在流行中の新型コロナウイルス感染症については、当院では肺炎の確定診断ができませんので、ウイルス検査の依頼をかけることはできません。

  • 風邪の症状や37.5℃以上の発熱が4日以上続いている。
  • 強いだるさ(倦怠感)や息苦しさ(呼吸困難)がある。
    ※高齢者や基礎疾患等のある方は、上の状態が2日程度続く場合

に当てはまる方は、引き続き茨木保健所あるいは帰国者・接触者相談センターにご相談ください。

新型コロナウイルス感染症について

※新型コロナウイルス感染症流行に伴い、下記に該当する方はまず大阪府民向け相談窓口茨木保健所に電話相談してから指示に従っていただくようお願いいたします。

  • 渡航歴がある方で発熱や呼吸器症状がある方
  • 渡航歴がある方や、肺炎患者との濃厚な接触をし、発熱や呼吸器症状がある方

電話相談窓口:06-6944-8197

かぜシーズンのお願いごと(1日に3回以上病院を受診するのはやめましょう)

ここ数日朝晩の寒暖差が10度以上と、すっかり秋が深まってきた感じです。コメント 2019-10-10 114733.jpg
寒暖差があると、調節が難しいので風邪をひく方もぐっと増えてきます。そしてまたインフルエンザの流行も始まってくるかもしれません。

そこで、急な発熱があったときに気をつけたいことを書いておきたいと思います。

インフルエンザに抗ウイルス剤を使わないメリットは?

今年もインフルエンザの流行が始まり、当院でもインフルエンザの患者さんが増えてきております。001 (2).jpg
以前も「インフルエンザには気をつけつつ、恐れすぎず」ということで、インフルエンザは必ずしもタミフルなどの抗ウイルス剤がないと治らない病気でないことをお知らせしました。
当院では、軽症で基礎疾患(糖尿病、免疫不全などの疾患)がない方には基本的に抗ウイルス薬の処方は行っておりませんが、実際インフルエンザと診断されたのに「特効薬」をもらえないなんて不安だ、早く治したいのに、と思われるかもしれません。
その理由・根拠について当院の治療方針も示しつつ説明したいと思います。

学会口演(関西中耳臨床研究会)

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title.jpg先日下記の口演を行って参りました。クリニックレベルでグラム染色塗抹検査をしている施設はまだ少ないですが、抗生物質の処方量を劇的に減らす効果がありますので、是非とも広まって欲しい検査手技だと思います。

スライド

当院でのグラム染色検査.jpg

インフルエンザ対策に必要なものは?

age.JPGインフルエンザの流行期もピークに達しているようで、当院でもインフルエンザの患者さんが多数受診され、この3週間だけでも30人以上になっています。年齢は右のグラフのように子供が中心ですが、その親世代も多くなっているようです。
そして、毎年のことながら近隣の学校では学級・学年閉鎖も増えています。

さて、先日同世代の知人と会話をしていたのですが、
「昔はそんな学級閉鎖なんて滅多になかったよなぁ。医療は進歩してるのになんで?」
と聞かれました。

ごもっともな話で、幸か不幸か、私(45歳)も記憶にある限り学級閉鎖は小中高と全く経験がありません。
それに、インフルエンザの治療は、迅速検査キットの実用化(2000年)、タミフル等抗ノイラミニターゼ薬開発(2001年)等、この20年でとても進歩していますが、何故なんでしょうか。

そこで、国立感染症研究所がこちら(https://www.nih.go.jp/niid/ja/flu-flulike.html)で公開している年度別学級閉鎖情報をグラフにして、原因を考えていきたいと思います。

インフルエンザには気をつけつつ、恐れすぎず

001 (2).jpg

少し落ち着いてきた感はありますが、まだまだインフルエンザの方は多く、当院でも1日20人程度は検査陽性になる方がおられます。
ただ、必要以上に恐れておられる方も多く、まずは冷静になって欲しいと思います。
いくつか個人的に気になっていることを。

1. インフルエンザは抗インフルエンザウイルス薬(タミフル、リレンザ、イナビルなど)なしでは治らない病気ではない

2. 抗インフルエンザウイルス薬は、半日程度発熱期間が短くなるくらいの限定的な効果しかない

3. 全身状態がよく熱も軽度であれば、たとえインフルエンザであっても抗インフルエンザ薬は必要ないので、そういう人には迅速検査も行わず、通常の風邪に対する対症療法薬の処方で様子を見ることもあります。

4. ただし肺炎(呼吸困難/子供では呼吸回数増加)や脳症(意識障害や反復する嘔吐など)が疑われれば早めの受診を

5. 一度病院を受診した後、症状改善がないとか、前回迅速検査で陰性であったが熱が下がらない等で再度病院を受診されるときは、別の病院を受診されるのではなく、出来ればはじめに受診された病院の受診を

6. ハイリスクの人以外には、抗インフルエンザウイルス薬の予防投与は認められていない(保険外でも)ので、予防のために抗インフルエンザウイルス薬を下さいと前記以外の方が来られても処方は出来ません

グラム染色

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新年あけましておめでとうございます。
年末年始は休診させていただきまして、ご迷惑おかけいたしました。平成27年は1月5日(月)から通常通り診療を開始しています。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

003.jpg

さて、当院では昨年末から顕微鏡を導入いたしまして、細菌検査や組織検査、細胞診に役立てています。
個人医院では通常これらの検査は外部の検査機関に委託するのが一般的で、当院でもそうしているのですが、検査会社から帰ってくる文書だけではなかなかイメージもわきにくく、病態もつかみづらいものです。実際に顕微鏡を使って検体を眺めてみるといろんな発見があって驚きます。

右の写真はグラム染色という細菌を色分けしてわかりやすくする染色方法で撮影した写真です(400倍)。紫色の小さな点々が細菌で、赤っぽい大きな丸いのが白血球です。
2歳児の鼻汁なのですが、何ヶ月も続くとのことで検査してみると、このように無数の菌がおり、1000倍で詳しく観察すると、紫色(グラム陽性菌)で2つがくっついた形(双球菌)をしており、ワクチンでおなじみの肺炎球菌であることがわかります。011.jpg

もちろん、このような検査結果は検査会社からの報告でもわかるのですが、このすさまじい菌の量を見れば抗生物質を使った方がよいことは一目瞭然であります。

ブロー氏液の驚異

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ブロー氏液ブロー氏液は、昔抗生剤などなかった頃に中耳炎の治療などで使われていた消毒液ですが、最近その効力が見直されてきている薬剤です。
よく効くという話は聞いていたのですが、正直あまり信用していなくて今まで使ったことがありませんでしたが、ダメ元で使ってみたところ、その効力に驚嘆しました。
早速当院でも酢酸アルミニウム、酒石酸、酢酸を原料に調剤してみました。
今まで治るのに時間がかかっていた、慢性中耳炎の術後耳や外耳道真菌症、鼓膜上の肉芽などの治療期間を大幅に短縮できそうです。

耳漏が止まらない方は一度試してみる価値がありそうです。

劇的に効果のあった方の例をお示しします。