耳管開放症
耳管とは中耳と上咽頭(鼻の奥)をつなぐ長さ3cm程の管です。
通常閉じており、つばを飲んだり、あくびをしたときだけ開き、速やかに閉じます。
その耳管が開いたままの状態になるのが耳管開放症です。
症状
- 耳閉感(耳がボーっとする、ふさがった感じ):耳抜きをしても治りません。
- 自声強調(自分の声が響く):耳管開放では自分の声が開いた耳管を通して直接中耳に響いて来ます。耳元で話し掛けられているのと同じです。
- 前かがみになったり横になると症状が軽くなる
耳管の粘膜が充血(うっ血)のために腫れて、一時的に耳管が閉じます。
原因
急激な体重減少・体調不良・睡眠不足の時に見られやすいようです。
女性に多く、寝付き、眠りの深さなどの睡眠障害があり、顔色やたちくらみなどの末梢循環障害があり、疲労感があったりや神経質な人に多いようです。
妊娠中にも増悪します。
最近では無理なダイエットでなる方も多いです。
甲状腺機能亢進症などホルモンの異常でなることもありますので、動悸、多汗、多尿などあれば、血液検査が必要です。
治療
実は決定的に優れた方法はなく、積極的に治療をしている医療機関も少ないです。当院では、
- 体重増加を待つ。調子が悪ければ1分ほど前屈みになってもらう。
- 漢方薬:加味帰脾湯などの内服
- ルゴール液など耳管を腫れさせる薬を、鼻から管を入れて噴射する
- 鼓膜の動きを制限するため、鼓膜をテープで固定する
といった対応をしています。
軽い人では1を、2は効く人では1−2週間くらいで効果が出ます。
3は、3-10日は効果が持続する方が多いようです。
手術加療もありますが、関西地方では行っている病院がないのが実情です。