ノート
スライド ショー
アウトライン
1
当科における突発性難聴の治療成績
  • 結城 和央、林 正彦、加茂 康樹
  • (滋賀県立成人病センター)
  • 北村 守正(国立京都病院)
2
リンデロン単独療法の成績(1994-1997)
3
リンデロン単独療法無効例に対する
プロスタグランディン追加投与例
  • リンデロン点滴6日目の時点で、改善不良(10dB以下)例に、PGE1:60μg/day を追加投与(1997-1998年)
    → 結果:改善なし
4
PGE1+リンデロン併用療法のプロトコル(1998〜)
  • リンデロンとPGE1を治療開始日から同時に開始
  • PGE1はプロスタンディン120μg/day (60μgx2)とした
  • 全例で、ATP、VB12製剤内服を併用


    • リンデロン20mg +生食100ml x 3days
      リンデロン10mg +生食100ml x 3days
      リンデロン  4mg +生食100ml x 3days
    • プロスタンディン 60μg+メイロン(8.4%) 20ml
      +低分子デキストラン250ml 
      x2回 / day
      x 7〜15 days
      (1回あたり2時間かけて点滴静注)


5
対象
  • 1998年6月から2000年3月の間に、当科で加療した突発性難聴新鮮例 33例(33耳)
  • 聴神経腫瘍、メニエル氏病、5分法平均聴力30dB以下のものを除く
    • 男:女=15:18
    • 平均 49歳(標準偏差14)
    • 初診時平均聴力  56dB(標準偏差 19)
6
厚生省突発性難聴研究班の聴力回復判定基準
  • 治癒:
    • 1)聴力検査で250、500、1000、2000、4000Hzが 20dB以内にもどったもの。
    • 2)健側聴力が安定と考えられれば患側がそれと同程度まで改善したとき。
  • 著明回復:
    • 上記5周波の算術平均値が30dB以上改善したとき。
  • 回復:
    • 上記5周波の算術平均値が10〜29dB改善したとき。
  • 不変:
    • 上記5周波の算術平均値が±9dB以内の変化
7
PGE1 +リンデロン併用療法の成績
8
諸家の報告、考察
  • 7-8割の改善率とするもの(蓼原ら、渡辺ら)から、5-6割(西原ら)とするものまでばらつきが多い。
  • 高齢者、高度難聴者、発症からの日数が経っているもので、PGE1の有効率が高いとする報告あり。

    → 年齢、初診時聴力、発症から治療開始までの日数で比較検定
9
PGE1+リンデロン併用群と
リンデロン単独群との比較検定
10
まとめ
  • 33例の突発性難聴新鮮例に対し、PGE1(プロスタンディン)+リンデロンの併用療法を行った。
  • 改善率は52%で、リンデロン単独群との有意差はなかった。
  • 年齢、初診時聴力、発症から治療までの日数別でも、リンデロン単独群との間に有意差は認めなかった。